京都水族館にみる環境共棲技術

 3月14日、下京区梅小路公園内にかねてより、オリックス不動産によって計画が進められていた「京都水族館」が開館した。
内陸型大規模水族館としては、国内最大規模の水族館であり、建設費は約60億円、展示総水量は約3000トンにもおよぶ。
延べ約3320坪(11000平方メートル)の館内では、鴨川に生息する国の特別天然記念物オオサンショウウオをはじめ、約250種、総数約1万5000匹を鑑賞することができる。 
 
 「京都水族館」においては、”環境モデル都市”京都市にふさわしく、環境面からも最先端の技術を応用したさまざまな試みがなされている。例えば、「複合型熱源システム」。約1800立法ミリメートルの海水があるイルカプールは、水蓄熱槽としても利用され、温まりにくく冷めにくい水の特性を利用しながら、深夜電力等を使用することによって、館内エネルギーの効率化が図られている。
 
 また、特徴的なのが、「人工海水製造システム」。真水と塩分やミネラルから天然海水と同様の水をつくり出すことが可能な装置であり、海水を水族館まで運ぶエネルギーやCO2排出を削減することができる。また、高性能ろ過システムと併用することにより、給排水の節減にも配慮がなされている。
 
 その他にも、イルカスタジアムの大屋根には、最大60kwの電力を発電することのできる太陽光発電システムが計画されていることをはじめ、ミスト空調・クールピットシステム・雨水利用システム等、多岐に渡って環境技術が応用されている。
 
いわば「環境パビリオン」ともいうべき「京都水族館」。今後も末永く、人々に愛され続ける施設として、夢と情報を発信してほしいものである。