2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

和紙の持つ、現代的可能性

京都市左京区にある南禅寺。正式名称は「太平興国南禅禅寺(たいへいこうこくなんぜんぜんじ)」といい、1291(正応4)年の開山以来、臨済宗南禅寺派大本山の寺院として、700年以上も、人々の信仰をあつめている。広大な境内には国宝である方丈を中心に、三…

五龍閣にみる和洋折衷の美

先日、東山区清水坂の途中、石畳を奥に入ったところにある「五龍閣」=大正10(1921)年竣工=を訪れた。和洋折衷様式が美しいこの建物は、京都帝国大学建築学科の創設者でもある武田五一の設計による。武田が、建築学科設置と共に京大教授の発令を受けたのは…

宝石箱のような京町家

先日、一軒の京町家を再生する機会に恵まれた。京都市下京区堀川五条下ル東入にある「ふたえ洋菓子店」。京都のよき伝統の雰囲気をそのままに、洋菓子を通じてお届けする、来月オープン予定のケーキショップである。 間口2間半、奥行き3間半、9坪ほどの小さ…

順正書院と新宮凉庭

先日、京都市左京区南禅寺門前にある「南禅寺順正」を訪れる機会に恵まれた。約1200坪の広大な敷地のなかには、国の登録有形文化財にも指定されている「順正書院」の他に数棟からなる端正な和風建築とともに、豊富な山水を使った風情のある庭園が広がってい…