2012-01-01から1年間の記事一覧

住まいと庭のいい関係

先日、上京区室町丸太町にある、京町家の改修工事を行った。昭和初期に邸宅として建てられたであろうこの京町家は、以前より企業の研修施設として長年に渡り大切に使用され続けていた。約270坪の敷地に建てられた、木造2階建ての母屋はちょうど中庭を中心に…

魯山人が愛した縁側空間

陶芸や書、絵画などで才能を開花させ、同時に美食家としても知られる、北大路魯山人。明治16(1883)年上賀茂に生まれた魯山人は、中京区にある梅屋尋常小学校を卒業後、「自然美礼讃一辺倒」を信条に、生涯をかけ美を追究した20世紀の芸術家であった。そん…

重要文化財 瀧澤家住宅

義経伝説でも有名な京都市左京区「鞍馬」。古来より、鞍馬は丹波や若狭と京都との間の物資の中継点としても発展を遂げ、街道沿いには、山間の良質な薪炭などを扱う問屋等も軒を連ねていた。付近一帯には市中と変わらない形式の町家が多く立ち並び、情緒ある…

京都におけるBook&Cafeの新潮流

首都圏を中心に近年多く見られる「Book&Cafe」スタイルの書籍店。書籍売り場と併設して喫茶スペースを設けることにより、くつろぎながら、読書を楽しむことのできる空間として、最近、全国的に広がりを見せつつある。 京都においても、今月5日、”学生の街”左…

京町家と北欧ジュエリーの素敵な関係

京都市・寺町京極商店街にある北欧ジュエリーショップ「Melumo putiikki」(メルモプティッキ)。もともとは、京町家であったであろう、アーケードに面した建物の改装事例である。 いろいろな改装における工夫を取り入れながら、先日無事にオープンの運びとな…

京都水族館にみる環境共棲技術

3月14日、下京区の梅小路公園内にかねてより、オリックス不動産によって計画が進められていた「京都水族館」が開館した。内陸型大規模水族館としては、国内最大規模の水族館であり、建設費は約60億円、展示総水量は約3000トンにもおよぶ。延べ約3320坪(1100…

粟田口に息づく合掌造り

ユネスコの世界遺産にも登録されている「越中・五箇山の合掌造り」。豪雪地域に適応するために急勾配の屋根を持ち、その屋根裏スペースの有効活用が特徴的な古民家として、現在も多くの観光客でにぎわっている。私自身、小学校3年生の夏休みに、五箇山の合掌…

カフェが育む芸術空間

京都市中京区錦小路室町上ルにある「京都芸術文化センター」。元は1869(明治2)年に下京第三番組小学校として開設された、明倫小学校。1931(昭和6)年に建設された旧校舎を改修・再生して、2000(平成12)年より京都の芸術文化発信の拠点として現在まで使…

未確定メルマガのお知らせ

i7kmo65flf@d.hatena.ne.jp様こんにちは、メルモです。仮登録を行ったメルマガ 1誌がまだ確定されていません。 登録される場合は以下のURLより確定させて下さい。http://cgi.merumo.ne.jp/reader/subscribe2.do?i=GSRHFFVD [有効期限:2012/03/29 14:40]未登録のマガ…

現代住宅と京町家

先日、京都西陣にある、路地奥の住宅を改装する機会に恵まれた。昭和50年ごろに建設された木造2階建て住宅。吹き付け仕上げの外観にアルミサッシが取り付けられた、当時としてはごく一般的な分譲住宅であったと想像される。 「一文庵」と名付けられたこの住…

旧閑院宮邸にまつわる物語

江戸時代、伏見宮、桂宮、有栖川宮と並び四親王家のひとつであった、閑院宮(かんいんのみや)。江戸時代中期の宝永7(1710)年に東山天皇の皇子、直仁親王を始祖として、創立されて以来、昭和22(1947)年の皇籍離脱までの237年間、7代にわたり世襲親王家と…

古くて新しい魅力的な寺町空間

年末年始の買い物客で賑(にぎ)わいをみせる、京都市中京区にある「寺町京極商店街」。幼い頃より慣れ親しんだ商店街の風景も、いろいろ様変わりをみせている。平安京の頃、この寺町通は、平安京の東端を南北に走る道幅32メートルの「東京極大路」であった…